2026/10/05
レモン

こんにちは。
東広島市の尊心オフィスです。
10月5日は、「レモンの日」とも呼ばれています。
レモンと聞くと、
料理や紅茶に添える、爽やかで少し酸っぱい果物を思い浮かべますよね。
でも10月5日のレモンには、
少し特別な意味があります。
この日は、
高村光太郎の妻・高村智恵子の命日です。智恵子は1938年10月5日に亡くなりました。
そして、その最期の時間を描いた詩が、
『智恵子抄』に収められている「レモン哀歌」です。
「レモン哀歌」には、病床の智恵子が、光太郎の持ってきたレモンを口にする場面があります。
レモンをかじったその一瞬、
智恵子の意識が澄み、表情や力が昔の智恵子に戻ったように描かれています。青空文庫
光太郎は後年の文章でも、智恵子が亡くなる数時間前にレモンを手にし、その香りや汁に心身を洗われるようだった、と振り返っています。青空文庫
この場面を読むと、
私は「どれだけ智恵子のことを見ていたんだろう」と感じます。
大げさに愛を語るのではなく、
表情や手の力、呼吸、レモンをかじる仕草まで、細かく覚えている。
そこに、長い時間を一緒に過ごした人への思いがにじんでいるように思います。
だから10月5日の「レモンの日」は、
単なる語呂合わせの記念日とは少し違います。
一つのレモンが、ひと組の夫婦の記憶として残っている日。
そう思ってレモンを見ると、
いつもとは少し違って見えるかもしれません。
参考
国立国会図書館「高村智恵子」
青空文庫 高村光太郎『智恵子抄』「レモン哀歌」
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